2023/06/28 12:21

こんにちは。
ZASSHUを制作しております、矢野です。
雑種犬の魅力を伝えるために制作をはじめた『ZASSHU(ザッシュ)』が、この度2022年6月19日に無事に創刊号を発行できる運びとなりました。これもひとえに雑種を愛する多くの方々の温かいご支援、ご協力のおかげで本当に感謝しかありません...!
今回もvol.1と同じく3家族にお話を聞いたZASSHU STORYを3本掲載しました。


まず1本目、麓くんのいる石川さんファミリーのお話。
麓くんについては、たしか昨年創刊号を出した直後くらいからインスタでフォローさせてもらっていて。麓くんがお父さんの顔の上に座っている衝撃おもしろ写真を見てから他の投稿も見てみたら、まぁ〜全部おもしろくって。「なにこの子!?っていうか、これ投稿してる主さんも気になる!」ってなりました(笑)
全部くだらないんだけど(褒めてます!)、本当に平和で楽しい仲良し家族っていう感じが伝わってきて。投稿してるママさんのノリもすごく好きで。ずっと数ヶ月「麓くんを取り上げたい…!」と密かに想い続けていました。
そしていざSTORYで紹介させてもらおうとお話聞かせてもらったら、想像した通り本当にみなさん仲の良さそうな素敵なご家族で。2人のお子さんの子供らしい可愛さ、自由さも微笑ましくって、“陽”の気に満ちた雰囲気だな〜と思いました。
お話を聞いて、麓くんもまさに根明ということだったので、このファミリーにぴったりだなと。日々いろんなことで家族に笑いを与えてくれる麓くんと、それにツッコミながらも便乗して楽しんじゃうご家族の姿は、何も感動的なことはなくても、とても素晴らしく美しいものだと感じられます。きっとお子さんが成長していくにつれて色々な生活の変化はあるのだろうけれども、これからも麓くんを中心とした笑いの絶えないファミリーなんだろうな、と思いました。


次にわんぞうくんと、そのお父さん織田さんについて。
わんぞうくんは、お名前がまず可愛いし、湖や山の中など、自然の中に佇む姿が印象的で気になっていました。
優しそうなお顔立ちのわんぞうくんだけど、トラウマスイッチが入ると感情の制御ができなくなってしまうということで、一般的に見たら“飼いやすいワンコ”とは言えないのだと思います。でも、飼い主の織田さんはわんぞうくんのことがとにかく大好きで、暴れても何しても「ええんやええんや」と、どーんと全てを受け止めて、なるべくわんぞうくんに負担のかからないようにと配慮しているのがお話を聞いて伝わってきました。
織田さんのお話の中でひとつだけ、誌面には書かなかったけれど、とても心に残っていることがあります。
奥様が保育士で療育に携わることもあるという経緯でのお話だったのですが、織田さんのお住まいの地域に『わくわく教室』という療育施設があり、その教室に通っている子たちのことを『わくわくさん』と言っているのだそうです。そして、わんぞうくんのことは「犬のわくわくさんなんやと思ってくれ」と家族には話しているのだと。
奥様の影響で娘さんも療育の勉強をしているそうで、ご家族が発達障害の子どもたちのことにも理解や知識があるからこそ、そう伝えることで温かく見守ってもらっているのだとおっしゃっていました。
私はその話を聞いた時に、底抜けな愛情深さが伝わってきてなんだかじーんとしました。ただ、私の編集を通してだと誤った捉え方をされる場合もあるのかなと思い掲載はしなかったのですが、織田さんのお話しているそのままの口調で伝えられたら、「ええんやええんや」とまるっと全部を受け止め許容するお人柄が伝わるだろうなと思います。
犬に対する飼い主の姿勢についても色々と考えさせてもらえたインタビューでした。


そして最後に蓮ちゃんのいる田井さんファミリーについて。
まだvol.1を発行する前からインスタはひっそりフォローさせてもらっていて、おしゃれなお家で、美味しそうなお料理で、なんて素敵な暮らしなんだろう...!と憧れていた蓮ちゃんファミリー。実は私と同じ市内に住んでいて、ZASSHUに掲載させてもらっている子たちの中でも、初めて実際にお会いできました。(わが家のあげぱんとも遊んでもらいました!)
野犬の子はとても臆病だというのはみなさんよくご存知だと思うのですが、その臆病の度合いも実は様々、どんなものを怖がるのかもそれぞれに違います。蓮ちゃんはビクビク度が強めなタイプで、どうしてあげたらいいのか悩むことも多かったそうですが、それだけ真剣に向き合って考えてくれる飼い主さんと出会えたことは蓮ちゃんにとってとてもラッキーなこと。本当にご夫婦ともに穏やかな雰囲気が漂っているので、怖がりな蓮ちゃんにはピッタリなご家族だったんじゃないかなと思いました。
そして妹ができて、お姉ワンとしての振る舞いを見せることで蓮ちゃん自身もいろんなことを学んだり、刺激をもらったり、時には我慢したり、着実に経験値を重ねて仲を深めていっている様子も微笑ましくて素敵ですよね。子どもと犬、本当に尊いです。
そして、田井さんファミリーのお話でとても珍しいパターンだなと感じたのが、蓮ちゃんを中心に家族の形や暮らしが大きく変化しているということ。だいたい犬を迎えるときって、家族の人数も住む家ももう変わらないなって状態で迎えることが多いかなと思うのです。でも、田井さんファミリーは蓮ちゃんを迎えてからたくさんの変化があって、「いまの暮らしがあるのも蓮のおかげ」と話していたのがとても印象的でした。


偶然にもそれぞれに全く違う性格の3匹の雑種犬とそのご家族をご紹介させてもらったvol.2はいかがだったでしょうか?
私が3組のお話を聞いて思ったことは、「みんなちゃんと収まるべきところに収まっているなぁ」ということ。本当に不思議なのですが、「この性格の子にはこのご家族だな」というのがなんともピッタリはまっていませんか?
わいわい楽しい雰囲気の石川家には、甘えん坊で元気な麓くん。犬が大好きでどっしり何でも受け止めてくれる織田さんには、やんちゃで運動が大好きなわんぞうくん。穏やかな雰囲気の田井家には、怖がりで優しい性格の蓮ちゃん。
このどれもが「これしかない!」っていう組み合わせだし、言い換えれば「出会うべくして出会ってる」と思うのです。
「犬を飼おう」と思うのは飼う側の意志ですが、そのタイミングでその場所で繋がる縁というのは、本当に不思議だけれども運命としか言えない何かがあるのかなと思います。